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世界の富豪トップ10人、パンデミック中に資産が倍増=NGO

今回は以下の記事を備忘録として残しておきたい。

コロナ禍による社会変革は進行中であり、この歴史的大変革の中を生きる我々は歴史の当事者として事態を冷静に見ていく必要がある。コロナによる社会変革を簡単に要約すると以下の通りになるかと思う。

 ・デジタル化の推進…人々のGAFAMに対する依存度合が5年分くらい早送りで進行した。

 ・管理社会化…ワクチンパスポートなどは通常の社会では間違いなく受け入れられないものであると思うが、「恐怖」を利用したショックドクトリンによって欧米各国で急速に進行中。日本でも自民・維新を中心に緊急事態条項を憲法に設けようと画策中。

 ・ポリコレ的言説による表現の自由の制限…「感染拡大防止のためにマスクを!」などのように、反対しづらいトピックをプロパガンダで普及させることにより、反対派の表現の自由が次第に失われていっている。Youtubeなどにおける動画削除も著しい。

 ・中小企業の没落…コロナ禍による実体経済の悪化により、資金的余裕のない中小企業の倒産が増えている。=中間層の没落が進んでいる。

 ・SDGsの盛り上がり…ここ2年でSDGsの話題を目にする機会が増えた。

 ・中国の特別扱い…「世界の工場」中国はCO2排出削減について、他国よりもゆるい基準が設けられている。中国の工業に依存している先進国にとって、「ならず者国家中国」は共犯的な必要悪として機能している。また、管理社会(支配者層にとっての楽園)をリードする実験的国家として、全世界のトップを走っているとも言える。

 ・政府債務の増加…コロナ禍をきっかけとして各国は大量の国債を発行し、大量の貨幣が供給された。その金融緩和による貨幣は株高につながり、富裕層をさらに肥えさせる結果を生んでいる。また、実体経済と金融経済の乖離(バブル)はさらに進行し、金融市場の不確実性はさらに高まっている。

 ・インフレ…世界各地で原油高などによるコストプッシュインフレが進行している。

 ・貧富の格差の拡大…家でポチポチパソコンをいじって情報空間で仕事をできる層と、実際の現場で働くエッセンシャルワーカーとの間で貧富の格差が拡大している。本来、エッセンシャルワーカーが報われる社会が「真っ当」だと思うのはもはや少数派なのだろうか。

 

今回のブログでは貧富の格差の拡大の一つの記録として以下の記事を残しておきたい。

また、以下の記事では富豪トップ10として実業家たちの名前が挙がっているが、彼らの株主(Blackrock, Vanguard)であるロスチャイルドやロックフェラー、モルガンなどの資産がどうなっているのかは、気になる。

www.bbc.com

 

以下、記事全文

新型コロナウイルスパンデミックで、世界の大富豪はいちだんと裕福になり、その一方で貧困状態で暮らす人は増加した――。国際NGOオックスファムが17日、そんな内容の報告書を発表した。

報告書によると、世界の最貧困層の収入が減ったことで、毎日2万1000人の死者が出るようになった。一方、世界トップ10の富豪の総資産は、2020年3月時点と比べて2倍以上に膨らんだという。

オックスファムは通常、世界の不平等に関する報告書を、スイス・ダヴォスで開かれる国際会議、世界経済フォーラムの開幕に合わせて発表している。スキーリゾートが会場となる同会議には例年、パネルディスカッションや飲酒パーティー、おしゃべりを目的に、経済界や政界の指導者、著名人、運動家、エコノミスト、ジャーナリストら数千人が集ってきた。しかし、今週開幕の今年の会議は去年に続き、オンラインのみでの開催となる。新型ウイルスのオミクロン変異株の流行が原因。今週は、パンデミックの今後の見通しやワクチンの公平性、エネルギー移行などが話し合われる予定。

合計172兆円に

オックスファムの報告書は、米誌フォーブスから引用して、次の各氏が世界トップ10の富豪だとしている。

イーロン・マスク(米テスラ最高経営責任者=CEO)、ジェフ・ベゾス(米アマゾン創業者)、ベルナール・アルノー(仏LVMHモエ・ヘネシールイ・ヴィトン会長)と家族、ビル・ゲイツ(米マイクロソフト創業者)、ラリー・エリソン(米オラクル創業者)、ラリー・ペイジ(米グーグル創業者)、サーゲイ・ブリン(同)、マーク・ザッカーバーグ(米メタCEO)、スティーヴ・バルマー(米マイクロソフト元CEO)、ウォーレン・バフェット(米投資家)。

報告書によると、これら10人の資産の合計は、2020年3月の7000億ドル(約80兆円)から、2021年11月には1兆5000億ドル(約172兆円)に膨らんだ。ただ、マスク氏の資産が1000%以上増えた一方、ゲイツ氏の増加は30%ほどにとどまるなど、個人差が大きかったという。

オックスファムは今回、パンデミックが始まった時期からの増加を計っている。だがその時期は世界的に株価が急落していたため、結果は微妙に誇張されたものとなっている。

しかし報告書の著者の1人、マックス・ローソン氏は、「(株価急落前の)2020年2月と比較しても、富豪トップ10の増加率は70%くらいあるとみている。これを取っても過去最大の増加であり、これまで見られなかったレベルだ」と述べた。

1.6億人が新たに貧困状態

オックスファムの報告書は、世界銀行のデータも基に、医療の受けにくさ、飢え、ジェンダーを背景とした暴力、気候破綻が、4秒ごとに1人の死をもたらしたとした。

また、1日あたり5.5ドル(約630円)以下で暮らしている人は、新型ウイルスのパンデミックがなかった場合より、1億6000万人多くなったとした。

世界銀行は1日あたり5.5ドルを、上位中所得国の貧困ラインとしている。

報告書は次の点も指摘している。

新型ウイルスのパンデミックで、発展途上国は借り入れが増し、社会的支出の削減を余儀なくされている。

ジェンダー平等が後退している。働く女性は2019年より1300万人減った。2000万人以上の少女が学校に二度と戻れない恐れに直面している。

民族的な少数者が新型ウイルスで最も打撃を受けている。イギリスのバングラデシュ人や、アメリカの黒人などがその一例。

「経済システムに大きな欠陥」

オックスファム・イギリスのダニー・スリスカンダラジャ最高責任者は、「パンデミック中、毎日のように新たな富豪が生まれている。一方で、世界の人口の99%はロックダウンや国際貿易の縮小、国外旅行の減少で暮らしぶりが悪化している。その結果、新たに1億6000万人が貧困へと追いやられた」と述べた。

また、「世界的危機の中でも、私たちの不公平な経済システムは大富豪に極めて多額の収入をもたらしたが、最も貧しい人たちを守りはしなかった」、「このシステムには大きな欠陥がある」と主張。

富裕層の資産に対する課税を増やし、皆保険制度や社会的保護への支出を増やすなどの取り組みを、政治家は進めるべきだと訴えた。

オックスファムはまた、新型ウイルスのワクチンの製造を拡大し、早期の分配を実現するため、知的財産権は放棄されるべきだと求めている。

今回の報告書は、米誌フォーブスと、世界の資産に関するスイス金融大手クレディ・スイスの年次報告書のデータ基づいている。